鍼灸師の採用難はGoogleクチコミが原因|改善4手順
目次
患者は来るのに鍼灸師が採れない——鍼灸院院長のこの悩み、実はGoogleクチコミのスタッフ評価が原因かもしれない。求職者の52%が応募前に職場の口コミを確認する時代、クチコミ管理は集患と採用を同時に解く鍵になっている。
TL;DR(3点まとめ)#
- 全国の鍼灸施術所は35,494件(厚生労働省令和4年衛生行政報告例)。施設数が増える一方、鍼灸師の供給は伸び悩み採用競争が激化
- 求職者の52%以上が応募前にGoogleクチコミを確認。スタッフ低評価は採用の足かせになる
- クチコミ運用を正しく設計すると、集患と採用ブランディングが同時に回り始める
1. 応募が来ない鍼灸院の実態|採用難の構造#
「施術の予約は埋まっているのに、スタッフが足りなくて診療枠を増やせない」——鍼灸院の院長から、こういう声を現場でよく聞く。
厚生労働省の令和4年衛生行政報告例によると、全国の鍼灸施術所(はり・きゅうを扱う施術所)は35,494件に達している。施術所の数は増加傾向にある一方、鍼灸師の国家試験合格者数は年間2,700〜3,000名前後で横ばいが続いている。施術所数の増加ペースと比べると、供給は追いついていない。
ハローワーク経由の有効求人倍率(鍼灸師)は0.82倍という数字もある。1倍を下回る=求職者の方が多いように見えるが、これは実態を反映していない。鍼灸師の採用は専門の求人サービス・養成校への直接アクセス・同業紹介が中心で、ハローワーク経由の比率は低い。公式統計の外で採用競争が起きているのが鍼灸業界の現実だ。
需要(採用したい院)に対して供給(新規の鍼灸師)が追いついていない——これが採用難の構造的な原因だ。
さらに、鍼灸師の資格を取った人全員が鍼灸院に就職するわけではない。スポーツチームのトレーナー、接骨院・整骨院との兼業、病院の機能訓練部門、美容施設……と就職先の選択肢は広い。その中で地域の一鍼灸院が選んでもらうには、「ここで働きたい」と思わせる情報発信が必要になる。
そのカギを握っているのがGoogleマップのクチコミだ。
鍼灸院・整体院のMEO対策と集客効果でも解説しているが、Googleマップは患者だけでなく、求職者も使っているプラットフォームだ。「この院、スタッフの雰囲気はどうだろう?」「院長が高圧的という口コミはないか?」と応募前にクチコミを読む求職者が増えている。
2. 求職者の52%以上が応募前にGoogleクチコミを見ている#
baigie.meの2024年度版中途採用調査によると、転職者の**52.21%が応募前に職場の口コミを確認している。またGlassdoorのデータでは求職者の86%**が応募前に職場の口コミを確認し、ネガティブな口コミを見て応募を断念した経験がある人は55%にのぼる。
鍼灸院・整体院を選ぶ患者の86.9%が口コミを参考にするというデータもある(atpress調査)。つまりGoogleマップは患者の来院判断にも、求職者の応募判断にも使われる情報プラットフォームになっている。
エン・ジャパンの2024年中途採用実態調査でも、転職者の50%が応募先の口コミを確認し、そのうち91%が応募前に確認していた。「ネガティブな口コミが気になる」と答えた転職者は63%にのぼる。複数の調査が「求職者はGoogleクチコミを応募前のチェックに使っている」という実態を一致して示している。
特に採用ブレーキになりやすいのが、患者クチコミに含まれるスタッフ評価だ。
採用を遠ざけるクチコミの例:
- 「受付の対応が事務的で冷たい」
- 「先生の説明が少なく、何をしているか分からなかった」
- 「スタッフ同士のやりとりが雑に見えた」
このようなクチコミを見た求職者は、「この院では働きたくない」と判断して応募を取りやめる。患者向けのクチコミが採用候補者にまで影響するのが、Googleマップという媒体の特性だ。
逆に言えば、クチコミ管理を整えると集患と採用の両方が改善できる。Googleマップ集客MEO完全ガイドでは全体像を解説しているが、鍼灸院においては採用の観点が特に重要だ。
クチコミが集患・採用それぞれにどう影響するかを整理した。
| クチコミの種類 | 集患への影響 | 採用への影響 |
|---|---|---|
| 「先生が丁寧に説明してくれる」 | ◎新規患者が来院しやすくなる | ◎「親身な職場環境」が伝わる |
| 「スタッフ全員が感じ良い」 | ◎ | ◎「チームワークが良さそう」と映る |
| 「受付が冷たかった」 | ✕来院をためらわせる | ✕「職場環境が悪そう」と判断される |
| 「先生が忙しそうで雑な感じ」 | ✕ | ✕「丁寧に育ててもらえなそう」 |
| 返信なし(放置状態) | △ | ✕「院長が管理に関心がない」と読まれる |
3. 採用ブレーキを取り除く4ステップ#
ステップ1: 低評価クチコミに返信して院の姿勢を示す#
採用の観点で最もダメージが大きいのは、低評価クチコミへの無返信だ。求職者は「この院長、患者のクチコミを放置してるな」と感じると、「スタッフにも同じ対応をするかもしれない」と想像する。
返信は「状況の受け止め→改善姿勢の表明→フォロー案内」の3段構造が有効だ。
ポジティブクチコミへの返信例:
「○○様、丁寧なご感想をありがとうございます。丁寧にケアできていると感じていただけて嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。」
ネガティブクチコミへの返信例:
「ご不便をおかけして申し訳ありません。患者さんへの対応については院として改善に努めてまいります。次回ご来院の際はぜひ直接お声がけいただければ幸いです。」
あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月制定・厚生労働省)上、施術効果を断言する内容は返信でも避ける。「症状が治った」という口コミへの返信で「そうですね、○○に効果があります」とする書き方は規制対象になりうる。
ステップ2: 採用向けGBP情報と写真を設計する#
Googleビジネスプロフィール(GBP)には写真を複数登録できる。患者向けの院内写真だけでなく、求職者に刺さる写真を意識的に加えると採用効果が上がる。
採用ブランドを高めるGBP写真の構成:
- スタッフ複数名の笑顔写真(チームの雰囲気が伝わるカット)
- 施術室の清潔感が分かるショット
- 院内の研修・勉強会の様子(あれば)
- 鍼灸器具・衛生管理の状況
GBPの「投稿」機能を使って「新スタッフ紹介」「院内勉強会を実施しました」といった職場の動きを発信するのも有効だ。採用候補者はGBPページを「事前見学」の代わりに使うことが多い。
あなたの院のGBPページは採用候補者が見ても「働きたい」と感じる内容になっているか?
ステップ3: ガイドライン準拠の口コミ依頼を設計する#
口コミを増やすには患者さんへの依頼が必要だ。あはき広告ガイドラインでは施術効果の保証・誇大表現を禁じているが、患者が自発的に書く口コミへの依頼自体はガイドラインの対象外だ。
| タイミング | 依頼方法 | 例文 |
|---|---|---|
| 会計時(口頭) | QRコードを渡しながら | 「よかったらGoogleに感想を書いていただけると嬉しいです」 |
| 施術後1〜2時間(LINE) | URLをメッセージ送信 | 「本日もありがとうございました。よろしければこちらからご感想をお聞かせいただけると助かります→[URL]」 |
| 数回通院後(継続患者向け) | LINEまたは手渡しカード | 「いつもありがとうございます。通い続けていただいている感想があればぜひ書いていただけると嬉しいです」 |
やってはいけないこと:
- 割引・特典と交換での口コミ依頼(「口コミを書いたら次回10%オフ」)
- 特定の内容を指定(「症状が改善した、と書いてください」)
- 患者に施術効果を断言させる誘導
会計時の一言依頼とLINEでのURL送信を組み合わせると書いてもらいやすい。口コミを書いたことがない患者が70%超いるので、「依頼すれば書いてくれる可能性は十分ある」という前提で動いていい。
ステップ4: 月次クチコミ棚卸しで採用ブランドを管理する#
口コミは蓄積資産だ。月に一度、以下の項目を棚卸しするだけで採用への影響を管理できる。
月次チェックリスト:
- 直近30日の新着クチコミに全件返信しているか
- 返信に施術効果の断言が含まれていないか(ガイドライン確認)
- 低評価クチコミに個別対応したか
- 求職者がネガティブに感じそうな内容はないか
- GBP写真に職場の雰囲気が伝わるカットが含まれているか
月1回30分の棚卸しで、採用候補者が見た時に「ここで働いてみたい」と思える情報が整備されていく。
4. 集患と採用を同時に改善した事例#
うちが実際に運用している院でも、クチコミ管理の設計を整えてから「Googleで見て来ました、スタッフの雰囲気が良さそうだったので」という患者が増えた、という反応があった。
この「患者が選ぶ理由」が、求職者にとっても「ここで働きたい理由」になっている。「スタッフが良い」クチコミが積み上がると、患者への信頼と採用候補者への訴求が同時に高まる好循環が生まれる。
鍼灸院のリピーター患者を増やすGoogle口コミ4ステップで解説したリピーター設計と組み合わせると、既存患者の満足度とクチコミの質が上がり、採用ブランドが強化される。
歯科スタッフの採用難はGoogleクチコミが原因でも同じ構造を解説しているが、鍼灸院はあはきガイドラインの制約があるため、口コミの返信設計に特に注意が必要だ。
採用と集患の同時改善チェックリスト:
| 施策 | 採用への効果 | 集患への効果 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| GBP低評価クチコミへの返信 | ◎職場姿勢が伝わる | ◎誠実な院として評価上昇 | 低 |
| スタッフ写真・職場写真追加 | ◎雰囲気が見える | △ | 低 |
| 口コミ依頼文・タイミング設計 | ◎クチコミ数増加→採用評価向上 | ◎ローカルパック表示率向上 | 中 |
| GBP投稿(職場の動き) | ◎採用候補者への情報発信 | △ | 低 |
| 月次棚卸し | ◎問題を早期に検知 | ◎ | 低 |
まとめ#
集患が順調でも採用が難しい鍼灸院に共通しているのは、Googleクチコミのスタッフ評価が求職者にとって「働きたくない理由」になっているケースだ。
改善の4ステップはシンプルだ:
- 低評価クチコミへの返信で院の姿勢を示す
- 採用向けGBP情報・写真を整備する
- ガイドライン準拠の口コミ依頼を設計する
- 月次棚卸しで採用ブランドを管理する
特別なツールや費用は不要で、GBPの管理と口コミへの返信だけで始められる。まず1ヶ月試してみると、クチコミの質と量が変わり始める。
よくある質問#
Q. 鍼灸院のGoogleクチコミは求職者も見るのですか?
はい。baigie.meの2024年度版調査では転職者の52.21%が応募前に職場の口コミを確認しています。鍼灸師・施術スタッフの求職者も、Googleマップのクチコミで「院長の人柄」「スタッフの雰囲気」を事前確認するケースが増えています。
Q. 低評価クチコミはどう対処すればいいですか?
まずクチコミに丁寧な返信をして院側の改善姿勢を示します。求職者は悪いクチコミそのものより「院がどう対応したか」を見ています。
Q. 口コミ依頼にあはきガイドラインの制約はありますか?
患者が自発的に書く口コミへの依頼はガイドライン対象外です。ただし特典と交換での依頼・効果の断言指定はガイドライン・Googleポリシー違反になります。
あなたの院のGoogleマップが採用と集患に最大限機能しているか、まずは無料診断でチェックしてみてください。