ドバイ法人の年間維持費 vs シンガポール vs 香港|3拠点コスト徹底比較
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ドバイ法人の年間維持費 vs シンガポール vs 香港|3拠点コスト徹底比較


目次

「ドバイ法人を51万円から作れる」という広告は、初年度のライセンス取得費の話。2年目以降の維持費を知らずに動くと、思った以上に重たいコストがのしかかってくる。

この記事では、ドバイ・シンガポール・香港の3拠点を年間維持費ベースで比較する。「初期費用が安い」じゃなくて、「毎年いくらかかるか」で判断してほしい。

TL;DR#

  • ドバイ(IFZA フリーゾーン)の年間維持費: 165〜215万円(ライセンス更新 125万円 + 会計サポート等)
  • シンガポールの年間維持費: 100〜240万円(ノミニーDirector・秘書役・登記住所が重い)
  • 香港の年間維持費: 60〜120万円(最安だが法定監査義務あり、政治リスクを考慮)
  • 3拠点とも「初期費用だけ安い」広告に注意。2年目以降のコストで比較しないと意味がない

3拠点の年間維持費一覧#

実務ベースの年間コスト一覧。会計・登記住所まで含めた合計で比較している。

費目ドバイ(IFZA)シンガポール香港
ライセンス更新 / 登記維持約125万円(8,697 USD)年次申告 + 政府手数料:約3〜5万円事業登録証更新:約3〜5万円
バーチャルオフィス / 登記住所16〜30万円(AED 4,000〜7,500)36〜72万円(S$3,000〜6,000)8〜17万円(HK$5,000〜10,000)
会社秘書役任意(5〜15万円)法定必須:12〜18万円(S$1,000〜1,500)法定必須:5〜8万円(HK$3,000〜5,000)
ノミニーDirector不要外国人株主は必須:24〜36万円(S$2,000〜3,000)不要
記帳代行24〜60万円29〜60万円(S$2,400〜5,000)17〜50万円(HK$10,000〜30,000)
会計監査任意(外部監査40〜80万円)免除可(非免除:48〜180万円)全法人に法定義務:13〜50万円(HK$8,000〜30,000)
年間合計(目安)165〜215万円100〜240万円60〜120万円

シンガポールはノミニーDirectorが入ると一気に上がる。香港は監査義務があるので、「ペーパーカンパニーでも60万円」というのが実態。


各拠点の維持費内訳#

ドバイ(UAEフリーゾーン)#

フリーゾーン法人の年間維持費は、ほぼ「ライセンス更新料」で決まる。代表的な3フリーゾーンの比較:

フリーゾーン年間更新料(目安)特徴
IFZA約125万円(8,697 USD)初期費用が最安(AED 12,900〜)。ビザ1人付きで AED 20,650〜
DMCC150〜250万円ジュメイラレイクタワーズに近い一等地。商業ブランド力は高い
DAFZA(空港フリーゾーン)80〜120万円空港直結。ロジスティクス・貿易向き

「IFZAで51万円から」という広告は初年度のライセンス取得費。更新料だけで毎年125万円かかることは表に出てこないことが多い。バーチャルオフィスの最安はAED 4,000(約16万円/年)から。Flexi DeskやCoworkingスペース込みだとAED 7,500〜15,000(約30〜60万円/年)になる。

2023年6月から導入された法人税(利益AED 375,000超で9%)の申告義務が生じたため、会計記帳を外注するなら年間24〜60万円程度かかる。IFZA ベース合計: 165〜215万円/年。「2年目から3倍になる」という感覚で見ておくと正確。

シンガポール#

シンガポールはコンプライアンス要件が厳しく、法定で必要な役職・届出が多い。外国人が100%株主の場合、会社法上シンガポール居住者を最低1名Director(取締役)に置く義務がある(年S$2,000〜3,000、約24〜36万円)。設立後6ヶ月以内にカンパニーセクレタリーの任命義務もある(年S$1,000〜1,500、約12〜18万円)。

個人株主20名以下かつ年間売上500万SGD(約4億円)以下なら「免除私的会社(Exempt Private Company)」として外部監査が免除される。スタートアップ段階では多くのケースで免除対象だが、監査が必要になるとローカル会計事務所でS$4,000〜8,000(約48〜96万円)、日系事務所だとS$15,000(約180万円)まで跳ね上がる。

免除構成の年間合計: 約101〜186万円/年(ノミニーDirector+秘書役+登記住所36〜72万円+記帳代行)。

香港#

3拠点の中では最安。ただし「全法人に会計監査義務」というコスト構造がある。

項目年額(目安)
会社秘書役(法定義務)約5〜8万円(HK$3,000〜5,000)
登記住所約8〜17万円(HK$5,000〜10,000)
Business Registration Certificate 更新約3〜5万円(HK$2,000〜3,000)
記帳代行約17〜50万円(HK$10,000〜30,000)
会計監査(全法人に法定義務)約13〜50万円(HK$8,000〜30,000)
税務申告(利得税 Profits Tax)約5〜8万円(HK$3,000〜5,000)
合計約51〜138万円/年

「取引のないペーパーカンパニーでも年間60万円程度は必要」というのが業界の目安。取引が始まると記帳と監査費用が比例して上がる。


税制比較と拠点選びの指針#

維持費だけでなく、実際に使える税制メリットも表にして整理する。

税目ドバイ(UAE)シンガポール香港
法人税率0%(〜AED 375,000)/ 9%(超過分)17%(スタートアップ免税あり)8.25%(〜HK$2M)/ 16.5%
個人所得税0%0〜24%(累進)2〜17%(HK源泉のみ)
キャピタルゲイン税0%0%0%
配当課税0%0%0%
消費税(VAT/GST)5%9%0%
税務居住者要件(その国側)UAE側:183日以上 or 90日以上+恒久住居183日以上居住状況に応じた判定

「ドバイは税金ゼロ」という表現の正確な意味

  • 個人の所得税: 0%(UAEには個人所得税が存在しない)
  • 個人のキャピタルゲイン税: 0%
  • 法人税: 利益AED 375,000(約1,537万円)以下は0%、超過分は9%

「法人税も全部0%」は2023年6月以降は正確ではない。「UAE側の居住条件」と「日本側の非居住者判定」は別物で、UAEの税務居住証明(TRC)の目安は年間183日以上の滞在だが、日本の居住者判定に固定日数基準は無く、住所=生活の本拠がどこにあるかを住居・職業・資産の所在・家族の居所などから総合的に判断する(国税庁No.2012・No.2875)。生活の本拠が日本に残ったままドバイ法人を運営すると、日本の税制(最大55%)が引き続き適用されるリスクがある。

過半数株主になる海外法人にはCFC税制(外国子会社合算税制)のリスクもある。実質的な業務活動を伴わない場合、法人の利益が日本の所得として合算課税される。また対象資産1億円超かつ国外転出前10年内に国内5年超居住の人は出国税にも注意が必要(2015年7月〜・国税庁No.1478)。設立前に国際税務専門の税理士への相談が必須。

目的別 拠点選びの整理

目的推奨拠点理由
暗号資産の税務最適化・個人課税を下げたいドバイ個人所得税・CG税0%。日本側で非居住者になれていることが前提
スタートアップ・SaaSでグローバル展開シンガポール投資家信頼・銀行口座の取りやすさ・英語インフラ
コスト最小で法人を維持したい(取引が少ない)香港最安構成60万円〜・英国法体系の安定性(政治リスク考慮で)
日本の税務居住者のまま海外法人だけ作りたいどの拠点も△CFC税制のリスクあり。必ず専門家に相談

おことわり:このサイトの発信者は税の専門家ではありません。税制は改正もあり、個別事情で結論が変わります。必ず国税庁の一次情報と国際税務に強い税理士で確認してください。


実際に調べてみてわかったこと|業者の実態と現場感#

MDS経由でドバイ法人設立を準備している中で、情報収集をして見えてきたことを率直に書く。

「初期費用だけ安く見せる業者が多い」のが業界の現実

業者サイトを調べると、「初年度51万円から」「登記費用だけで設立可能」という見出しが目立つ。2年目以降の更新料や維持費を聞いても、はっきり答えない業者がいる。最初に「翌年からの維持費は合計いくらになりますか」と聞いて、明確に答えられない業者はそれ以降の話も信頼しにくいと思っている。

「住まなくていい」には続きがある

法人を作るだけなら現地に住まなくていいのは事実。ただ、個人としての所得税0%・キャピタルゲイン税0%のメリットを享受するには、UAEの税務居住者になるだけでなく、**日本側で非居住者と見なされる状態(生活の本拠を実態として国外に移す)**まで作れている必要がある。「UAE の居住条件を満たせば日本の税金もゼロ」と読ませる業者がいるが、UAE側と日本側は別判定なので注意。

銀行口座開設は時間がかかる

フリーゾーン法人を設立しても、銀行口座開設に1〜3ヶ月かかるケースが増えている。AML/KYC強化の影響で、個人事業主やスタートアップは特に審査が厳しい。WIO(オンライン完結型)でも1〜2週間、Emirates NBD だと数ヶ月かかることも。「設立してすぐ動ける」と思い込んでいると、現地に乗り込んで詰まることになる。

シンガポールは「コスト高いが使いやすい」、香港は「安いが政治リスクあり」

シンガポールは維持費がドバイと同水準かそれ以上だが、投資家・VCからの信頼度、英語インフラ、銀行口座の取りやすさでドバイを上回る。グローバルに資金調達をしたい場合や、貿易型ビジネスにはシンガポールの法人格が有利に働く。香港は2020年の国安法施行以来、外資系企業の離れが続いており、コスト最安でも政治的不確実性をどう評価するかというビジネス判断が必要な拠点になっている。


MDS経由でドバイ法人設立を進める場合は、初期費用だけでなく維持費のシミュレーションも確認しておくことを勧める。MDS 公式(ドバイ法人設立)から問い合わせ・資料請求ができます。申し込み時・面談時には 紹介者ID 100014107 を必ず伝えてください。


よくある質問#

Q. ドバイのフリーゾーン法人の年間維持費の相場は?

フリーゾーンによって差があります。IFZAの場合は年間ライセンス更新料が約125万円(8,697 USD)程度、DAFZAなど他の拠点は80〜120万円程度です。会計サポートや税務申告費用を加えると年間150〜215万円以上を見込む必要があります。

Q. シンガポール法人の監査義務はありますか?

個人株主20名以下かつ年間売上500万SGD以下の「免除私的会社」なら監査免除です。ただし、ノミニーDirectorやカンパニーセクレタリーは必須で、最低でも年間100万円以上かかります。

Q. 香港法人の維持費が安いというのは本当ですか?

取引のないペーパーカンパニーでも年間60万円程度は必要です。会計監査が全法人に法定義務として課されており、取引が発生すると費用が上がります。「ゼロに近い」という表現は誇張です。

Q. ドバイは法人税0%と聞きましたが本当ですか?

AED 375,000(約1,537万円)以下の利益は0%ですが、超過分は9%の法人税がかかります。個人の所得税・キャピタルゲイン税が0%という意味では正しいですが、法人税はイコール0%ではありません。

Q. 3拠点で維持費が一番安いのはどこですか?

コスト面だけなら香港が最安(60万円〜)ですが、中国リスクという政治的不確実性があります。税務メリットを含めた総合コスパならドバイ、グローバル展開の信頼性ならシンガポールという整理が実務的です。


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