ドバイ法人の維持費3年総額|業者が言わない逆ザヤの条件

ドバイ法人の維持費3年総額|業者が言わない逆ザヤの条件


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目次

この記事の要点:「初年度51万円〜」の見積もりは起点に過ぎない。2年目以降は毎年80〜120万円の維持費が発生し、3年累計は400〜620万円の試算になる。毎年2,000万円以上の利益が法人に残る規模でないと維持費で逆ザヤになりやすく、うちは正直に勧めていない。実額は事業の形で全部変わるので、個別に計算した方が早い。

「初年度51万円」の見積もりには続きがある#

ドバイ法人の問い合わせを始めると、「IFZAなら51万円から設立できます」という案内が多いことに気づく。数字自体は嘘ではない。フリーゾーンのライセンス取得費としてAED 12,900(約51万円)という起点があるのは事実だ。

問題は、その数字が初年度の一部費用しか示していない点にある。

設立してから3年間、毎年何が発生するかを公開相場ベースで正直に出す。「3年分で計算すると思ったより高かった」という結論に後から驚かないために、契約前に読んでほしい。

ドバイ法人の費用、3年で何が発生するか#

初年度にかかる主なコスト#

初年度は設立作業そのものに複数の費用が重なる。

  • ライセンス取得費:AED 12,900(約53万円)〜 ゼロビザ、AED 17,100(約70万円)〜 1ビザ込みパッケージ(IFZAの場合)
  • ビザが別立ての場合:AED 2,500〜5,000(約10〜20万円)別途(エスタブリッシュメントカード込み)
  • フレキシデスク費:AED 5,760(約24万円)/年〜(一部パッケージに含まれる場合あり)
  • 会計・財務諸表費:AED 999〜5,000(約4〜20万円)/年(2025年9月30日から IFZAは全ライセンスに財務諸表の提出を義務化・小規模の最低ラインは AED 999〜)
  • 設立代行手数料:30〜60万円(初回のみ・代行業者を使う場合)

合計すると、初年度の現実的なコストは170〜250万円になる。複数業者と見積もりを比べると、「設立費用90万円〜」という表記でもビザや会計が別計上になっているケースが多く、最終的にはこの水準に近づく。

「51万円から」と「170〜250万円」の差は、初年度だけでもここまである。

2年目から毎年発生するもの#

設立が終わると次は維持局面になる。以下が毎年固定でかかるコストだ。

  • ライセンス更新費:AED 12,900〜17,100(約53〜70万円)/年(IFZAのビザ枠数による)
  • フレキシデスク・オフィス費:AED 5,760(約24万円)/年〜(パッケージ外の場合)
  • 会計・財務諸表費:AED 999〜5,000(約4〜20万円)/年(2025年9月義務化。小規模の最低ライン AED 999〜)

合計すると年80〜120万円(最小構成・IFZAゼロビザ+フレキシデスク+会計最低ライン)から、年100〜130万円(1ビザ込みパッケージ+会計込み)が2年目以降のベースラインになる。「業界相場の80〜120万円」という数字は最小構成に近く、実際には利用規模・ビザ本数で上振れしやすい。

3年目に重なる更新コスト#

ビザの有効期間は一般的に2年間。つまり設立から2年後(3年目前後)にビザ更新費が重なる。

  • ビザ更新費:30〜40万円(1本の場合)

ライセンス更新とビザ更新が同じ年に発生する3年目は、2年目より費用が増える年になりやすい。

3年総額の試算表(公開相場ベース・1ビザ最小構成)#

IFZA等の格安フリーゾーン・1ビザ構成での公開相場ベース試算。実際の費用は事業構成・代行業者・追加サービスで変動する。

費用項目初年度2年目3年目
ライセンス取得/更新51〜82万円50〜80万円50〜80万円
ビザ(取得/更新)31〜40万円31〜40万円
バーチャルオフィス20〜30万円20〜30万円20〜30万円
会計・税務申告30〜50万円30〜50万円30〜50万円
設立代行(初回のみ)30〜60万円
合計(目安)162〜262万円100〜160万円131〜200万円
3年累計393〜622万円

3年間の総コストは、シンプルな構成でも400〜620万円の範囲に入る試算になる。

この表で最も意識してほしいのは「毎年発生するもの」の存在だ。初年度の設立費用にだけ目がいくと、2年目以降の固定コストが想定外に感じる。設立前に「3年分の総額はいくらになるか」を業者に確認することが、後から驚かないための最低限の確認だ。

ドバイ・シンガポール・香港の3拠点で維持費を比較した記事は ドバイ法人の年間維持費 vs シンガポール vs 香港 で詳しく整理している。

なぜ利益2,000万円未満は勧めないか#

維持費だけで毎年100万円以上かかる。これを税効果でペイするには、一定以上の利益規模が前提になる。

逆ザヤの計算:

仮に法人の年間利益が800万円のケースで考える。

  • 国内法人で払う法人税(実効税率25%として):約200万円
  • ドバイ法人の年間維持費(会計込み最小構成):約100〜130万円

税効果で浮く200万円に対して、維持費が100〜130万円かかる。差し引き70〜100万円の節税効果。一見プラスに見えるが、ここに**日本側の税務問題(CFC税制・居住者判定)**が加わる。日本に住んだまま外国子会社を持つ場合、外国子会社合算税制によって税効果が実質ゼロになるケースがある。その状態で維持費だけ払い続けると逆ザヤだ。

毎年2,000万円以上の利益が法人に残る規模であれば、設計次第でこの問題を回避できる仕組みが存在する。それ未満の規模では維持費が重く、かつ税制の設計が難しくなるため、うちは正直に勧めていない。

日本にいたままドバイ法人で節税できない3つの理由と、対象になる人の条件は ドバイ法人は日本にいたまま節税できない?設立した本音 に詳しい。

実際の費用が変わる5つの要因#

試算表はあくまで目安だ。以下の要因で実際の費用は大きく変わる。

1. フリーゾーンの選択
IFZAは格安スタートだが、DMCC・DAFZA・RAKEZなど他の拠点ではライセンス更新費が異なる。業種によっては特定のフリーゾーンしか対応できない場合もあり、選択肢が限られることがある。

2. ビザの本数
起業家ビザ1本と、従業員・家族ビザを複数本取得する場合では年間費用が変わってくる。家族帯同を検討している場合は初期から複数ビザで試算しておく必要がある。

3. 会計・税務サポートの範囲
最低限の申告のみか、月次会計レポートまで含めるかで年間コストが数十万円単位で変わる。2023年6月の法人税導入以降、フリーゾーン法人でも申告義務が生じているため、会計サポートを省くリスクは以前より高くなっている。

4. 法人税申告対応のタイミング
AED 375,000(約1,537万円)以下の利益は法人税0%だが、申告義務は発生する。初回申告対応費が設立後2〜3年目に集中することがある。この費用が見積もりに含まれているか、事前に確認が必要だ。

5. 業者の料金設定モデル
初期費用を低く見せて、ビザや会計を別建てで追加するモデルが業界では多い。比較するなら「3年分一括」での見積もりを取ることが最低限の確認だ。2026年時点では、設立だけの代行業者と、設立後の運用(ライセンス更新・ビザ管理・口座維持)まで一貫してサポートする業者の間で、2〜3年の総コストに差が出るケースが増えている。

個別に試算した方が早い理由#

公開相場ベースで書ける範囲で出したが、実際の費用が上記試算と一致することはほぼない。事業の形によって全部変わるからだ。

うちが個別試算を先にすすめる理由はここにある。

  • 日本クライアントとの取引が中心 vs 海外取引が主体
  • 一人法人 vs 従業員・家族帯同がある
  • ストック型収益 vs 取引都度の請求

フリーゾーンの適性・ビザ本数・会計サポートの深度が変わり、3年総額が100〜200万円単位でずれてくる。

「400〜620万円の試算に驚くか、想定内か」を感度チェックとして使ってほしい。驚いた人は規模感が合っていない可能性があり、想定内の人は次に「自分の事業ではいくらになるか」を個別試算で確認するフェーズに入れる。

うちでは無料の30分オンライン面談で個別の試算を確認できる。面談では、事業の収益構造を前提に「維持費と税効果をどう計算するか」を個別に見てもらえる。無料の30分面談を予約する(空き枠を選ぶだけ・相談だけでもOK) から日程を押さえて、面談のときに紹介者ID 100014107 を伝えてほしい。


ディスクレーマー:本記事の費用は公開相場・業界資料ベースの試算であり、実際の金額はフリーゾーンの選択・契約内容・為替レートにより異なります。発信者は税・会計の専門家ではありません。最終的な判断は、国際税務に強い税理士・会計士にご相談ください。


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