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介護施設の口コミが増えない理由と稼働率を変える依頼法


目次

TL;DR#

介護施設・老人ホームの口コミを増やす方法を一言でいうと、「利用者本人ではなく家族に、決まったタイミングで、決まった文面で頼む」こと。 これだけで件数は動く。逆にここを設計せずに「気が向いたらお願いする」を続けている施設は、何年やっても口コミが1桁のまま止まる。

  • 施設を探す家族の多くはまずGoogleマップで比較する。要介護認定者は2025年度時点で717万人、介護サービス受給者数は月485万人規模まで拡大している
  • 口コミが増えない根本原因は「ケアマネ依存」と「口コミの放置」の組み合わせ。どちらか一方を変えるだけでは詰まる
  • 依頼のタイミングは入居系(老人ホーム・特養)と通所系(デイサービス)で変える。入居系は面会後・通所系は送迎直後が動きやすい(→施設タイプ別の依頼タイミング)
  • 本記事にはそのままコピーして使える口コミ依頼文テンプレを載せた(→口コミ依頼文テンプレート)
  • ただし依頼の文面・タイミング・Googleガイドライン適合まで含めて設計しないと、せっかく書いてもらった口コミがGoogleに削除される

介護施設・老人ホームで口コミが増えない理由#

稼働率80%の壁はなぜ生まれるのか#

デイサービスの収益は「定員×稼働率」でほぼ決まる。定員20名の施設でも稼働率70%なら実質14名分の収益しか出ない。残り6枠を埋めることができれば売上は43%増えるが、その6枠を埋めるためにかかるコストが「ケアマネへの営業・挨拶回り・交流会参加」というのが、多くの施設が辿り着く答えだ。

ただ、ケアマネ依存には構造的な限界がある。1人のケアマネが抱えるケース数には上限があり、紹介してもらえる絶対数にも天井がある。「関係の良いケアマネ」が退職・異動になると一気に紹介が止まる。この不安定さに悩む施設長と話すたびに、「紹介経路をもう一本作る必要がある」と感じる。

その「もう一本の経路」として使えるのが、家族による直接問い合わせだ。

家族が施設を選ぶときの行動パターン#

厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査を見ると、在宅介護サービスの利用者数は増加を続けている。その家族が「デイサービスを探す」ときに最初に何をするか。多くの場合、スマートフォンで「地域名 デイサービス」と検索する。そこに出てくるのがGoogleマップの検索結果だ。

Googleマップの施設一覧で家族が比較する順序はおおよそこうなっている。

比較ポイント見られている内容
評価の★数と件数「この施設は信頼できるか」の最初の判断材料
口コミの内容「実際に通っている家族が何を言っているか」
写真・施設の雰囲気「うちの親が馴染めそうか」
営業時間・サービス内容「希望の曜日・時間に対応しているか」
返信の有無・トーン「スタッフと話せる施設か」

口コミが0件、または数年前から更新されていない施設は「比較から外れる」のではなく「そもそも比較対象にもならない」。これが稼働率の差として積み重なっていく。


実際にやってみてわかったこと#

MEO支援をやっていると、デイサービスや老人ホームのGBPを見てほしいという相談が来ることがある。ほとんどのケースで共通しているのは「口コミが少ない、または古い」という状態だ。

導入してくれた施設からは「集客で困らなくなった、ありがとう」と言ってもらえている。ただし正直に言うと、最初から順調だったわけではない。口コミを増やすフェーズで一番難しいのは「依頼すること自体への心理的ハードル」だった。

「お客様に口コミを書いてほしいとお願いするのは失礼では」と感じる施設スタッフは少なくない。でも、実際に口コミを書いてくれた家族の多くが「書く機会をもらってよかった」と言う。なぜなら「この施設はよかった」という気持ちを誰かに伝えたかったのに、そのチャンネルがなかっただけだからだ。

もう一つ、現場でよく見る地雷がある。気持ちよく書いてもらった口コミが、数週間後にGoogleに削除されているケースだ。同じIPアドレスからの連投、テンプレ文の使い回し、「書いてくれたら〇〇しますよ」という交換条件がGoogleのガイドライン違反に引っかかるパターンが多い。Googleの口コミポリシーはそれなりに細かく、知らないと踏んでしまう地雷がある。

口コミ依頼の文面・タイミング・ガイドライン適合性まで含めて設計してから動くようにしているのは、そういう背景がある。


入居系(老人ホーム)と通所系(デイサービス)で依頼タイミングを変える

同じ「介護施設の口コミを増やす」でも、入居系と通所系では家族との接点がまるで違う。ここを分けずに同じ依頼をしているのが、件数が伸びない施設に一番よくあるパターンだ。

入居系(老人ホーム・特養・グループホーム)通所系(デイサービス・小規模多機能)
家族と会う頻度少ない(面会・月次請求・行事のとき)多い(送迎で毎週〜毎日顔を合わせる)
依頼しやすい瞬間面会からの帰り際/行事に参加した直後送迎の引き渡し直後/連絡帳を渡すとき
書いてもらいやすい時期入居1〜3ヶ月後(生活が落ち着き、判断が固まった頃)利用開始1〜2週間後(「思ったより良かった」が出る頃)
相性のいい導線月次報告・請求書へのQRコード同封連絡帳・送迎時の手渡しカード
依頼相手キーパーソン(主に同居していない子世代)送迎で顔を合わせる同居家族

入居系は「会う回数が少ないぶん、会えた日に必ず渡す」。通所系は「毎日会えるぶん、渡す日をこちらで決める」。方向が逆になる。

通所系で毎日のように顔を合わせているのに口コミが増えない施設は、たいてい「いつでも頼める」が「いつまでも頼まない」に化けている。曜日を決めて、その日に来た家族には必ず渡す、くらいの機械的な運用にしたほうが結果的に増える。


介護施設・老人ホームの口コミを増やす4ステップ#

ステップ1:GBPを「家族が比較する目線」で整備する#

口コミを増やす前に、GBPのベースを整えておく必要がある。口コミが5件あっても、写真が3年前のものしかなく、サービス内容が「デイサービス」の一言だけなら、家族は問い合わせをためらう。

GBPの基本設定ヘルプに沿って、以下を確認する。

  • 施設名・住所・電話番号: 一字一句、介護保険の申請書類と一致させる。不一致があるとGoogleが「情報の信頼性が低い」と判断し、表示が下がることがある
  • カテゴリ: 「デイサービスセンター」を主カテゴリに設定する。「介護施設」だけでは検索クエリとのマッチングが弱い
  • 営業時間と対応曜日: 家族が問い合わせ可能な時間を正確に記載する。「電話に出られる時間帯」と「営業時間」が違う場合は、説明欄で補足する
  • 写真: 写真・動画のアップロードガイドラインを参照しながら、食事・レクリエーション・施設内観・スタッフの様子を各5枚以上登録する。「清潔感」と「活気」が伝わる写真が特に重要

ステップ2:口コミ依頼の文面・タイミングを設計する#

口コミは「書いてくれたらラッキー」から「設計して取りにいく」に変える。ただし依頼の仕方を間違えると、Google側でまとめて削除されるリスクがある。

タイミングの設計:

タイミング特徴向いているケース
送迎直後(玄関先)感情が高ぶっている瞬間利用開始1〜2週間後の好意的な反応があった日
月次の利用報告書に同封落ち着いて読んでもらえる定期的な関係が続いている利用者家族
担当ケアマネ経由第三者の紹介で書きやすいケアマネとの関係が良好な施設

施設によって「いつが自然か」は違う。業態と家族との接点の多さによって最適なタイミングを選ぶ。

文面の設計原則:

  1. 「書いてもらうとこちらが嬉しい」ではなく「書いてくれた内容が次の方の参考になる」という視点で依頼する
  2. QRコードかショートリンクでGBPの口コミ投稿ページに直接飛べるようにする(Googleマップのリンクは長い)
  3. 「特典と引き換え」「利用料の割引」などの交換条件は絶対に入れない(Googleガイドライン違反)
  4. 依頼する内容は「ご感想を正直に書いてください」のみ。高評価を求める表現はガイドライン違反になりうる

そのまま使える口コミ依頼文テンプレート

以下は施設名・担当者名を差し替えればそのまま使える文面。カードに印刷してQRコードを添えるか、月次報告に同封する形を想定している。Googleのポリシーに触れる「高評価のお願い」「特典との交換」は入れていない。

① 通所系(デイサービス)— 送迎時の手渡しカード

〇〇様

いつも△△(施設名)をご利用いただきありがとうございます。

これから施設を探されるご家族が、Googleマップの口コミを見て
「うちの親に合いそうか」を判断されることが増えています。

もしよろしければ、実際に通われて感じたことを
そのまま書いていただけないでしょうか。
良かった点も、こうしてほしいという点も、正直なところで構いません。

下のQRコードから1分ほどで投稿できます。
お手すきのときで結構です。

△△(施設名) 担当:□□

② 入居系(老人ホーム・特養)— 面会時/月次報告に同封

〇〇様

いつも△△(施設名)へお心を寄せていただきありがとうございます。

ご入居から〇ヶ月が経ち、日々の様子も落ち着いてまいりました。

いま施設を探しておられるご家族の多くが、
Googleマップの口コミを手がかりに検討を進められています。
実際にご家族として見てこられた率直なご感想は、
同じ立場で迷っている方の判断材料になります。

もしよろしければ、下のQRコードから
感じられたことをそのままお書きいただけますと幸いです。

△△(施設名) 施設長:□□

③ 口コミへの返信テンプレ(高評価をもらったとき)

〇〇様

あたたかいお言葉をありがとうございます。
「(口コミ内で触れられた具体的な内容)」とのお声を
スタッフ一同で共有させていただきました。

これからも〇〇様とご家族に安心していただける時間を
お作りしてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。

△△(施設名) □□

返信は定型文をそのまま貼るのではなく、口コミ本文の言葉を1フレーズ引用して返すのがコツ。読み手に「ちゃんと読んでいる施設だ」と伝わる。

⚠️ 使うときの注意: 同じ端末・同じWi-Fiから家族に連続して投稿してもらうと、Google側でまとめて削除されることがある。カードを渡して各自のスマートフォンから、それぞれのタイミングで書いてもらう形にする。

このテンプレを配っても口コミが動かない施設は、原因が文面ではなくGBPの土台側(カテゴリ・写真・住所表記)にあることが多い。自分の施設がどちらで詰まっているかは、無料の集客診断で現状のGBPを見てもらえば切り分けがつく。結果だけ受け取って、あとは自施設で直してもらう形でも構わない。

ステップ3:ネガティブ口コミへの返信で「透明性」を見せる#

家族が施設を比較するとき、良い口コミだけを読むのではない。悪い口コミへの返信を読んで「この施設は誠実か」を判断する。

「対応が遅い」「連絡が足りない」というクレームに対して、丁寧に事実を確認したうえで謝罪し、改善策を書いた返信がある施設は、ネガティブ口コミがあっても信頼度が上がることがある。逆に「削除してほしい」「無視する」という対応をしている施設は、長期的に評価を下げる。

返信テンプレートは施設ごとに用意しておく。「ご不便をおかけして申し訳ありません。状況を確認し、担当者よりご連絡いたします」という文言だけでも、返信があることの意味は大きい。

ステップ4:月次でGBP投稿を続けて「活きている施設」を見せる#

Googleマップで施設を比較する家族が最後に確認するのは「最近の情報があるか」だ。最後の投稿が1年前の施設は「まだ動いているの?」という印象を与える。

月2〜4本のGBP投稿(GoogleビジネスプロフィールのInformational posts)で「今月のレクリエーション」「季節のメニュー」「スタッフ紹介」などを出し続けることで、「活きている施設」として認識されるようになる。

ポイントは「宣伝」ではなく「現場の様子」を出すこと。「〇月に体操教室開催!」ではなく「先週の体操教室の様子を写真でご紹介します」という形式が、家族に「ここに通わせたい」という感情を引き出しやすい。


GBP投稿で「選ばれ続ける」施設を設計する#

稼働率を「上げる」フェーズと「維持する」フェーズは少し違う。上げるフェーズは口コミの件数と質を改善して検索順位を上げることが中心になる。維持するフェーズは「現在通っている家族が継続利用を選び続けてくれる環境を作る」ことが中心になる。

GBPはケアマネや新規家族に向けたものだけではない。すでに通っている利用者の家族がGoogleマップで施設を確認することもある。「やっぱりいい施設だ」と思ってもらえる投稿を月次で出し続けることが、解約率を下げる効果を持つ。

具体的なコンテンツの軸:

  • 季節行事・イベント報告: お花見・夏祭り・クリスマス会の写真投稿は特にエンゲージメントが高い
  • 利用者の作品紹介: 絵手紙・手芸・書道などの作品を「〇〇さんが作りました」と紹介することで、家族が「親が活躍している」と感じる
  • スタッフ紹介: 「今月入社したスタッフです」という投稿は、新スタッフへの安心感を家族に与える

口コミと投稿の両方を継続的に設計・運用することで、「新規が入る → 定着する → また口コミが増える」という好循環を作れる。介護保険制度の基本情報を見ると、要介護認定者の絶対数はこれからも増え続ける見通しだ。その中で選ばれる施設と選ばれない施設の差は、GBPの設計にあると考えている。

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介護施設向けMEOの基本施策や採用との連携戦略と組み合わせることで、集客・採用・リピートの3軸を同時に設計できる。MEO対策の全体像や他業種のリピート設計事例も参考にしてほしい。


よくある質問#

Q1. デイサービスへの口コミは誰が書くの?ケアマネでも書ける?#

A. 主に利用者の家族が書く。ケアマネがGoogleマップに口コミを書くケースはゼロではないが、立場上「特定施設を推薦するような表現」は書きにくい。そのため口コミ依頼の対象は「通っている利用者のご家族」が現実的で効果が高い。

Q2. 老人ホームとデイサービスで、口コミの増やし方は変わりますか?#

A. 変わる。違いは「家族と会える回数」だ。デイサービスは送迎で毎週顔を合わせるので、依頼する曜日をこちらで決めて機械的に渡すのが効く。老人ホーム・特養は面会や月次報告のときしか接点がないので、会えた日に必ず渡す運用に寄せる。書いてもらいやすい時期も、通所系は利用開始1〜2週間後、入居系は入居1〜3ヶ月後とずれる。詳しくは施設タイプ別の依頼タイミングにまとめた。

Q3. 口コミを書いてもらいやすいタイミングはいつですか?#

A. 利用開始から1〜2週間後の「利用者が慣れてきた実感が出てきた時期」が最も書いてもらいやすい。「先日○○でよかったとおっしゃっていただいたのですが、もしよければGoogleにも一言書いていただけますか」という形で自然な流れで依頼するのが効果的。

Q4. ネガティブな口コミが来たときはどうすればいい?#

A. 削除要求や無視よりも、誠実な返信が長期的に有効。「ご指摘ありがとうございます。現状を確認し、担当よりご連絡いたします」というひな形を事前に用意しておくことを勧めている。返信があること自体が「対話できる施設」という印象を他の閲覧者に与える。

Q5. GBP投稿は何日おきにすればいいですか?#

A. 目安は週1〜2回。「頻度より継続性」が重要で、週3本を3週で止めるより週1本を3ヶ月続ける方が効果が出る。投稿のネタは「今週のレク」「季節の食事メニュー」「スタッフの一言紹介」など施設の日常から自然に出てくるものが長続きする。

Q6. Googleの口コミ対策をやると稼働率はいつ頃上がりますか?#

A. 個人的に見てきた範囲では、口コミ件数が2桁(10件以上)になって検索順位が上がり始めると、問い合わせ数が変わってくるケースが多い。ただし「何ヶ月で何%上がる」という約束はしない。導入した施設から「集客で困らなくなった」という声はもらっているが、施設の立地・競合状況・既存のGBPの状態によって変わる。


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