ホテル・旅館のスタッフ採用|Google口コミ活用4ステップ

ホテル・旅館のスタッフ採用|Google口コミ活用4ステップ


目次

TL;DR#

  • 宿泊業の有効求人倍率は2.53倍(2025年5月)で、全業種平均の3.27倍の採用難易度
  • 求職者の**91%**が応募前にGoogleマップの口コミを確認するため、GBPが採用の最初の判断材料になっている
  • 採用に強いGBPは「口コミ件数・返信文・スタッフ写真・依頼設計」の4点を整えるだけで変わる

1. 宿泊業の「採用難」実態|有効求人倍率2.53倍と人手不足の構造的原因#

宿泊業が人手不足に陥っているのは周知の事実だが、数字で見るとその深刻さが際立つ。

厚生労働省の職業安定業務統計によると、宿泊業・飲食サービス業の有効求人倍率は2.53倍(2025年5月)。全産業平均の0.77倍と比べると、実に3倍以上の採用難易度だ。

なぜこれほど採用が難しくなっているのか。構造的な要因を整理する。

要因1:コロナ禍の離職者が戻っていない

2020〜2021年の緊急事態宣言で宿泊業の従業員の多くが離職し、他業種へ転じた。観光庁(国土交通省)の宿泊旅行統計調査でも、インバウンド需要が回復基調にある一方で、人員の補充が追いつかない状態が続いていることが示されている。

要因2:労働環境のイメージが改善されていない

「激務・休みが取れない・給料が低い」という業界イメージは根強く、求人媒体への出稿量を増やしても応募数が伸びない施設が多い。Guidable Jobsの宿泊業採用コラムでも、宿泊業の採用では求人票の文章より「実際の職場の声」が重視される傾向が指摘されている。

要因3:Z世代は「職場の雰囲気」をネットで事前確認する

20代・30代前半の求職者は、求人票よりも第三者のレビューや口コミを重視する。応募の前段階でGoogleマップを検索し、施設の評点とスタッフに関するコメントを確認するのが標準的な行動になっている。

求人票に「アットホームな職場です」と書いても、Googleマップの口コミに「スタッフが殺気立っていた」「感じが悪かった」というコメントが並んでいれば、求職者は応募ボタンを押さない。求人票とGBPの情報が矛盾していると、後者が優先されてしまう。


2. 求職者の91%が応募前にGoogleマップの口コミを確認する理由#

採用担当者の多くは、Google口コミをゲスト向けのものだと思っている。しかし実態は違う。

求職者も採用前にGoogleマップを見ている

Indeed(インディード)の求職者行動調査でも、求職者の91%が採用応募前にGoogleマップや口コミを確認するという行動が確認されている。さらにエン転職の職場口コミ調査では、Z世代に絞ると93.7%が職場のオンライン口コミを重視すると回答している。

なぜGoogleマップが採用の判断材料になるのか。理由は3つある。

理由1:リアルな職場の空気感が見える

求人票の文章は「施設側が書いたもの」として差し引かれる。一方、Googleマップの口コミは第三者が書いた言葉であり、信頼性が高いと判断される。特に「スタッフが丁寧だった」「チームワークが良かった」「明るいスタッフさんが多い」といった口コミは、職場の人間関係を間接的に伝える情報として求職者に読まれる。

理由2:施設の評点が「ざっくりした印象」を形成する

評点が4.0以上の施設は「従業員が大切にされていそう」、3.0未満の施設は「職場として問題があるかも」という先入観を与える。Glassdoor(グラスドア)の雇用主レビュー調査でも、Z世代求職者が職場選びにおいてオンラインレビュースコアを強く重視する傾向が明らかになっている。

理由3:「口コミへの返信」が会社の姿勢を見せる

口コミに対してオーナーが返信しているかどうか、その文面がどんなトーンかを求職者は見ている。感謝の言葉だけでなく、スタッフへの言及がある返信(「スタッフ一同で取り組んでいます」など)は、職場の人間関係が良好だという印象を与える。

Googleマップの評点3.6点が採用の分岐点

複数の調査で「評点3.6点未満はZ世代が応募を見送る基準になる」というデータが出ている。飲食・宿泊業は利用客からの口コミが集まりやすい業種のため、評点管理を怠ると採用に直撃する。


3. 「ここで働きたい」を作るGBP活用4ステップ|採用向け口コミ設計の全手順#

ゲスト向けのGBP運用と、採用ブランディングを兼ねたGBP運用は、アプローチが異なる。以下の4ステップで設計する。

ステップ1:現状の口コミを「採用目線」で棚卸しする#

まず、現在の口コミを採用担当の視点で読み直す。

チェックポイントは2つ。「スタッフに関する言及がいくつあるか」「ネガティブな評価にどう返信しているか」だ。

スタッフに関する言及が少ない場合、Googleマップから伝わる情報が「施設のハード面」だけになっている。職場環境に関する情報量が少ないと、求職者には判断材料が届かない。

ステップ2:口コミ依頼の文面・タイミング・ガイドライン適合を設計する#

「ゲストに口コミをお願いする」という行為自体は、多くの施設がやっている。問題は文面・タイミング・ガイドライン適合の設計だ。

Google公式の口コミポリシーでは、金銭・特典を条件に口コミを依頼することは禁止されている。「レビューを書いてくれた方に割引します」という依頼は規約違反で、書いてもらった口コミが後日削除される原因になる。依頼文にガイドラインNGワードが入っていないか、事前に確認してから打ち合わせるのが基本だ。

タイミングはチェックアウト直後のLINEか、食事後の会計タイミングが効果的なケースが多い。依頼文には「スタッフのサービスについても一言いただけると嬉しいです」と一文追加するだけで、スタッフ言及口コミの件数が変わってくる。

ステップ3:返信文に「職場の温度感」を込める#

ゲストから「スタッフがとても良かった」という口コミが届いたとき、「ありがとうございます」だけで終わらせていないか。

採用目線での返信例:

「スタッフへの温かいお言葉、誠にありがとうございます。チーム全員で毎日サービスの質を高め合っていますので、こうして伝えていただけると励みになります。またのお越しをお待ちしております。」

「チーム全員で」「サービスの質を高め合っている」という表現が、職場の協働文化を伝える。求職者がこの返信を読んだとき、「良い職場かもしれない」という印象を持ちやすい。

ネガティブな口コミへの返信でも同様だ。「スタッフの対応が冷たかった」という指摘に対して「真摯に受け止め、スタッフ一同で改善に取り組んでいます」という返信は、問題意識がある組織だという印象を与える。HOTERES(ホテル業界誌)でも、オーナー返信の姿勢がブランド全体の印象を左右すると繰り返し取り上げられている。

ステップ4:GBPの写真に「人」を入れる#

Google公式のビジネスプロフィール写真ガイドラインでは、施設の外観・内装と合わせて、スタッフの写真追加が推奨されている。

採用ブランディングの観点から効果的な写真は3種類:

  1. チーム写真:制服を着たスタッフ全員が笑顔で並ぶ写真。職場の雰囲気が一番伝わる
  2. 接客シーン:スタッフが実際にフロントやレストランで業務している場面
  3. 研修・ミーティング写真:スタッフが学び合っている場面は「成長できる環境」を示す

JNTO(日本政府観光局)の調査でも、宿泊業を志望するZ世代の求職者は「一緒に働く人たちの顔が見えること」を施設選択の重要条件にしていることが示されている。施設外観だけの写真では、求職者に刺さる情報が届かない。

4ステップの中身は分かっても、日々のオペレーションを回しながら全部やるのはきついというのが実際のところだと思う。いまのGoogleマップの状態は無料で診断している。口コミの中身とスタッフ写真の不足を、採用目線で見た優先順位に並べ替えてお返しする。


4. ほんね丸が現場で見えてきたこと|口コミ設計と採用ブランディングの接点#

GBP運用をしていると、ゲスト向け集客と採用ブランディングが「連動して動く」タイミングがあることに気づく。

口コミが増えてGBPの評点が上がると、Googleマップで施設が見つかりやすくなる。これは集客にプラスに働くだけでなく、求人媒体の掲載と並行して採用の問い合わせが増えるケースを現場で見ている。

導入してくれた施設のオーナーから「集客で困らなくなった、ありがとう」という言葉をもらうことがある。話を掘り下げると、集客だけでなくパート・アルバイトの応募が増えたという話も出てくる。GBPの評点が上がったタイミングと一致していることが多い。

逆に、採用に困っている施設のGBPを見ると、共通した特徴がある。口コミ件数が少ない、または件数はあるが返信が「ありがとうございます」の一言で終わっている。写真も施設の外観や料理だけで、スタッフの顔が一枚もない。

求人票を出し続けているのに応募が来ない施設の場合、問題は求人票の文章ではなくGBPの状態にあることが多い。求職者はGoogleマップで施設をサーチした瞬間に、応募するかどうかをほぼ決めている。

宿泊業・旅館の採用ブランディングで口コミ設計が有効な理由は、ゲストの評価という「第三者の言葉」が採用候補者にも届くからだ。どんなに丁寧に求人票を書いても届かない「職場の空気感」が、口コミとその返信文を通じて伝わっていく。

口コミ依頼の文面設計・ガイドライン適合チェック・返信文の言語化まで手を入れると、ゲスト向けの集客効果と採用ブランディングの両方が同時に動く。そこが、投稿の自動化だけで「やってます感」を出している対応との、決定的な違いだと思っている。

なお、ゲスト側の口コミをどのタイミングで依頼し、どう返信すると再来訪につながるかは、ホテル・旅館でGoogle口コミを増やすリピーター戦略で詳しく書いている。採用の入口を整える話とは表裏一体なので、そちらも見てもらえると流れがつかみやすいはず。


よくある質問#

Q. ホテル・旅館のGoogleクチコミは求職者も見るのですか?

はい。調査では求職者の91〜93.7%が応募前にGoogleマップや口コミを確認しています。宿泊業の求職者も、スタッフの雰囲気・職場環境・接客の質をGoogleマップで事前チェックする行動が定着しています。

Q. 口コミの返信で採用ブランディングはできますか?

できます。口コミへの返信は求職者も読んでいます。「スタッフが一丸となって取り組んでいます」「チームの温かさを感じていただけて嬉しいです」のように、職場の人間関係が伝わる返信を積み上げると、採用の問い合わせ・応募増加につながります。

Q. 採用に効くGoogleビジネスプロフィールの写真はどれですか?

制服を着たスタッフが笑顔で並ぶチーム写真、スタッフが実際に業務をしている接客シーン、研修・ミーティングの様子などが効果的です。施設外観だけでなく「人」が写っている写真が採用候補者の応募意欲を高めます。Z世代はGoogleマップで職場環境のビジュアルを重視する傾向があります。

Q. 宿泊業界で採用に苦労している職種はどれですか?

フロントスタッフ・客室清掃スタッフ・調理師・ウェイター/ウェイトレスなど多岐にわたります。宿泊業・飲食サービス業の有効求人倍率は2.53倍(2025年5月)で、複数の職種で慢性的に応募が集まらない状況が続いています。

Q. Googleクチコミに「スタッフ対応が悪い」と書かれた場合、採用への影響は?

採用に直接影響します。Z世代はGoogleクチコミの評点が3.6点以上を応募の基準にするという調査結果があります。低評価口コミへの誠実な返信で改善姿勢を見せつつ、中長期的にポジティブな口コミを増やすことが対策になります。


ホテル・旅館のGBPをゲスト集客と採用の両軸で整えたい方は、ほんね丸のMEO無料診断からご相談ください。現状の口コミ状態の確認から、採用ブランディングを兼ねた設計まで対応します。


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