ドバイ法人は日本にいたまま節税できない?設立した本音

ドバイ法人は日本にいたまま節税できない?設立した本音


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目次

この記事の要点:日本に住んだままドバイに法人だけ作っても、普通のやり方では節税にならない。理由は ① 居住者判定(生活の本拠の総合判断) ② 外国子会社合算税制 ③ 移転価格税制 の3つ。ここを分かった上で設計された仕組みは存在するが、対象は毎年2,000万円以上の利益が法人に残る規模から。それ未満は維持費で逆ザヤになるので勧めない。

「作ってよかった話」より先に、知っておくべきだった話#

2026年6月、ドバイで法人を設立した。口座やビザ、Emirates IDまわりの工程はいままさに進行中で、「全部終わって成功しました」の綺麗な話をするつもりはない。

ドバイ法人の「作ってよかった話」はネットにいくらでも転がっている。でも実際に当事者になってみて思うのは、本当に価値があるのは「作る前に知っておくべきだった話」の方だということ。業者の面談では聞かされない部分から、順番に書いていく。

日本にいたままでは、普通は節税にならない#

いきなり身も蓋もないが、ここを曖昧にしたまま夢だけ売る発信が多すぎるので、最初に書いておく。

日本に住んだまま、ドバイに法人だけ作っても、普通のやり方では節税にならない。理由は3つある。

ハードル①:居住者判定——日本に「183日ルール」は無い#

「海外に183日いれば非居住者になれる」という話をよく聞くが、日本の税法にそんな固定日数の基準は無い。日本の居住者かどうかは、「生活の本拠」がどこにあるかの総合判断で決まる。住居・職業・資産・家族の所在、全部見られる(国税庁 No.2012)。

ここで混同しやすいのが、UAE側の税務居住者(TRC)の条件。UAE内に年183日以上滞在、または90日以上+恒久的住居があればUAE側の居住者にはなれる。ただ、UAE側の条件を満たしても、それだけでは日本の非居住者にはならない。家族が日本にいて、仕事の実態も日本にあるなら、日本の居住者として全世界の所得に課税され続ける。「UAEの居住者になれば日本の税金もゼロ」と読ませる説明は、この2つを意図的に混ぜているんですよね。

ちなみに、本気で日本を出る場合にも出口がある。対象資産1億円超などの条件に当てはまる人が国外転出するときは、株式などの含み益に所得税がかかる「国外転出時課税」、いわゆる出国税だ(国税庁 No.1478)。入口にも出口にも網がかかっている。

ハードル②:外国子会社合算税制——利益は日本に戻ってくる#

2つ目が、外国子会社合算税制。タックスヘイブン対策税制とも呼ばれる。

日本の居住者や内国法人が実質的に支配している外国法人が、税負担の軽い国で実体なく利益を貯めていると、その利益は日本側の所得に合算して課税される。「ドバイ法人に売上を付け替えれば税金ゼロ」という素朴なスキームは、この制度が正面から潰しに来る。現地に事務所・人・機能といった経済実体があるかどうかが問われるので、登記だけのペーパーカンパニーでは意味がない。

ハードル③:移転価格税制——グループ内の値付けは自由じゃない#

3つ目。日本法人とドバイ法人の間で取引させる場合、その値付けは自由ではない。グループ間の取引価格が、独立した会社同士なら成立しない水準に歪んでいれば、税務上は否認される。「日本の利益をドバイに移す」は、帳簿の上で数字を動かすだけでは成立しない。

この3つを正面から説明しない業者の「日本にいながら節税できます」は、聞き流していいですよ。

おまけ:維持費は2年目から年80〜120万円#

税制の前に、コスト構造でつまずく人も多い。

うちが設立先に選んだIFZAというフリーゾーンは、初期費用AED12,900(約51万円)〜という安い起点で始められる。ただしこれは初年度の話で、2年目からはライセンス更新・ビザ更新・オフィス費で年80〜120万円の維持費が相場としてかかってくる。

「初期51万円」だけ見せて維持費に触れない見積もりは、この業界のあるあるだ。契約前に「2年目以降、総額でいくらですか」と聞いて、答えを渋る相手とは組まない方がいいと思う。

ここまで読んで「じゃあドバイ法人、意味ないじゃん」と思った人。半分正解。普通のやり方では意味がない。ここからが本題になる。

それでも構造で差が出る——設立コストと運用の現実#

うちの場合、最初は客として海外進出サービスの商談を受けるところから始まった。説明を聞いて、引っかかる部分は自分で裏を取って、それで設立まで進めた。いまは同じサービスをうちでも扱っている。その立場で、公開できる範囲の「構造の話」を書く。

見積もりが250〜300万円に膨らむ「中抜き」の構造#

ドバイでは、法人設立・ビザ・口座開設のサポートに、日本でいう行政書士・税理士・宅建に相当する専用の資格ライセンスが必要になる。ところが日本語で営業している業者の多くはこの認可を持っておらず、受注してから認可業者へ再委託する。ここで中抜きが発生して、見積もりが250〜300万円に膨らむのが業界のあるあるなんですよね。

逆に、必要なライセンスを自社で保有しているワンストップの業者なら、再委託が無い分、相場の半分以下に収まる。だから見積もりを比べるときは、金額の大小より先に「認可を自社で持っていますか」って聞いてみてください。答え方でだいたい分かりますよ。

国際送金0.5%と銀行3〜4%の差#

銀行経由の国際送金は、為替手数料と送金手数料をあわせて3〜4%が通例。うちが使っているサービスは、ナスダック上場の送金サービスPayoneerと独占契約していて、これが0.5%になる。年1億円を動かす規模なら、この差だけで年数百万円になる計算だ。設立費用の安い高いより、運用フェーズではこっちの方が効いてくる。

ビザ維持は「年1回の入国」だけ#

海外法人の比較でよく出るシンガポールは、実質的に半年の居住がないとビザ=口座が維持できない。ドバイは年1回入国すればビザを維持できる。日本やカナダに生活拠点を残したまま持てる「3つ目の旗」として、拘束条件が軽いのは大きいんですよね。

銀行口座の壁を越える「オフィス」の話#

いま口座開設はどんどん厳しくなっていて、「設立すればすぐ開く」は嘘になりつつある。審査で見られるのは事業の実体で、そのためにオフィスが要る。普通に借りると年300〜400万円かかる世界だが、行政認可を受けた自社オフィスを貸与して、銀行面談から口座開設まで通す体制を持っている業者がある。うちの口座開設もこの仕組みで進行中だ。ここは正直、個人で突破するのはかなりしんどい部分だと思う。

「日本にいたまま」を前提に設計された仕組みはある#

さて、冒頭の3つのハードル——居住者判定・外国子会社合算税制・移転価格税制。これらを全部分かった上で、それでも「日本にいたままでも使える」形に設計された仕組みが存在する。うちも実際に使っている。

ただ、この仕組みの中身はここには書けない。もったいぶっているのではなくて、事業の形や利益の出方によって設計が一件ずつ全部変わるので、一部だけ切り取って書くとむしろ不正確になるんですよね。この記事で書けるのは「ある」という事実と、対象になる人の条件までです。

面談では、居住者判定・合算税制・移転価格の3つを自社の数字に当てはめて、そもそも対象になるかをその場で見てもらえます。他人の前提で作ったシミュレーションをここに載せるより、その方が早いと思う。

対象になる人・ならない人(正直に足切りします)#

先に断っておくと、これは誰にでも勧められる話じゃないです。

  • 対象は、毎年2,000万円以上の利益が法人に残る規模から。それ未満だと、年80〜120万円の維持費で逆ザヤになるので勧めない。
  • 年商数億でワンオペ、経費が少なくて利益がそのまま法人に積み上がっていく——という人が、ちょうどこの対象なんですよね。これから海外との商流や資産の置き場所を設計したい人なら、なおさら検討する価値があると思う。
  • 仮想通貨の利確対策だけ、のような実態のない使い方は対象外。サービス側も年間の対応社数に上限を設けていて、実態のない案件は断っている。

あなたの会社でどうなるかは、事業の形・利益の出方・家族の状況で全部変わる。一律の数字をここに書く方が不正確なので、個別に見てもらった方が早いです。

面談の申し込み方#

面談は無料の30分オンライン形式で、上に書いた仕組みの中身も、自社の数字での試算も、そこで聞けます。うちで扱っているのはMDSの海外進出サービスで、入口は下の予約ページです。カレンダーで都合のいい日時を選べばそのまま予約が確定するので、まずは枠だけ押さえてもらえれば大丈夫です。

👉 無料の30分面談を予約する(空き枠を選ぶだけ・相談だけでもOK)

面談のときに、紹介者ID「100014107」を伝えてもらえると、こちらで把握できます。設立後の運用で詰まったとき——口座、ビザ更新、経理まわり——の相談導線をうちで持つので、「申し込んで終わり」にはしません。

最後に#

日本にいたままのドバイ法人は、普通のやり方では節税にならない。それでも、ハードルを分かった上で設計された仕組みはあるし、構造を知っていれば見積もりで数百万円単位の差が出る。作る前のあなたに、この記事がその分の判断材料になれば十分です。

そもそも「日本国内の節税で現金が残らないのはなぜか」から整理したい方は、法人の節税、なぜ現金が残らない?繰り延べの正体を先に読んでもらえると、海外という選択肢が出てくる理由が繋がると思います。


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発信者は税の専門家ではありません。この記事は制度の一般的な解説と当事者としての記録であり、個別の税務アドバイスではないため、最終判断は国税庁の一次情報を確認のうえ、国際税務に強い税理士に確認を。